【整備】3Bパサートのミッションを分解する
以前、当店で販売した3Bパサートのミッションに不具合が出たとお客様より申告がありました。
調べてみるとバックギアに入りづらくなっていました。
Rに入れて数秒立たないとギアが入らない、もしくはRに入れてアクセルを踏まないとギアが入らない。
症状が徐々に目立つようになってきたので今回は保証ということで対応させていただきました。
Dではバルブボディ交換を推奨されました。
バルブボディは部品代で247,000円です。
まず一番の原因と考えられるバルブボディを洗浄するとギアが正常になりましたが
2、3日で再度異常が発生することから、バルブボディが原因ではないと判断。
おそらく何かが破損してバルブボディの経路を塞いでしまっているのではないかと予測しました。
アッセン交換が確実だということで今回はミッション交換で対応させていただきました。
不良だったミッションはスタッフの勉強も兼ねて一度バラして原因の究明を行いました。
バラバラにしてみると犯人がわかりました。
おまわりさん、コイツです
なんと
小さいではないか・・・
まずはこちらがミッションです。
左側が前進、右側が後退の部分です。
まずは前進部分を見てみましょう
前進部分に関しては元々正常だったので問題ないようです。
次に問題のあった後退部分を分解します。
指差しの部分に異常を発見しました。
犯人のあの小さなパーツが何らかの理由で外れて
ギアに噛みこんでいき、
このようにギアが欠けて傷がついたと考えられます。
他の箇所にも傷が見受けられます。
これだけ傷がついていれば鉄粉が出てバルブボディの経路も塞がるということですね。
ケースの中から破片が出てきました。
原因はわかりましたが、「なぜあのパーツが外れたのか」そこがわかりません。
もしバルブボディを交換していたら、結局すぐに目詰まりをおこして
無駄な出費となり、お客様には更にお待ちいただき迷惑をかけてしまうところでした。
結果的に今回はミッション丸ごと交換で正解でした。
3Bパサートはまだまだ台数のある車種ですから
同じような不具合で悩まれている方もいらっしゃると思います。
今回の件が他の方々にとって、少しでも判断材料としてお役に立てれば幸いです。